序章






















十月十日




あれからジョットは毎日
花に紅茶を与えている

そして今日も真面目に仕事に取り掛かっていた





美味しそうな食事が執務室に運ばれていく

やっと免疫力が付いたのか
嵐は昨日からやっと復帰する事ができたが




また…


あまりの感激に嵐は耐えられなくまた発病(?)…
嵐は医務室へと運ばれていった

だから今日、
ジョットは一人で食事をとる事となった


「食べている所を、
ずっと見られてるなは嫌だけど…
一人で食べるのはそれはそれで少し淋しいな」


くわえ箸…
いやくわえフォークをしながらボソッと呟く…





午後1時…


やっと復帰した嵐が青ざめながらやってくる


「すいませんでした」

嵐がジョットが座っている真ん前で土下座をしている


「…………」


ジョットは構わず仕事を続けている


「例えほんの一時間といえど…
右腕たるオレが…貴方から離れるなんて…」

強く握る拳からはジョットへの純粋な忠誠心が現れていた

しかしこん位の事でここまで深刻になられると
はっきり言ってジョットも少し迷惑である

第一
つい来ないだまでずっとダウンしていて
なかなか会う事がなかった右腕が
今更…って感じである


「もう…顔を上げてもよいぞ…」


いい加減ジョットも少し邪魔に思った様で
嵐の頭を上げさせる


「はい…」


さあこれで一段落
と思ったら…


「あれ?ジョット…
お食事なさった食器…ご自分で洗いに……?」


机の上に置かれた食器に嵐は注目した


「ああ…今週の占いで ゛周りの物をキレイにすると貴方の運勢はばら色!゛
と言われたのでな…」


よくみると確かにキレイになってるのは
食器だけではない
部屋もピカピカだ


「しかし…そういうのは下の者が…」


ジョットの半開きだった目はさらに細められ
その目は嵐を訴える…


「……〜〜〜〜
わかりました……
しっかり仕事もこなしている事だし…
とやかく言うのは辞めます」


珍しくこういう事で嵐が折れた
ジョットの目は元の半開きに戻った…


「あ…そういえば…」

そう言うとジョットは引き出しを開き、
何かをごそごそと取り出してた


「明日から二週間…カナダに出張だ」


取り出されたのは出張願いだった…

さっきまで右腕がボスの傍を離れて何とかとかって
随分と言っていた奴に出張を突き付けるとは


流石はジョット…
超マイペース………



「…………嫌か?」


ジョットはこの時だけ曇った目を輝いやかせた
凄く眩しい…
普段のジョットから考えると
本当にジョットの目から放たれてる輝きなのか疑ってしまう程だ
そんな目から嵐は逃げられなかった…

ジョット直々に出張しろ と言われた…っと言う事は
よほど大事な任務なのだろう…


始めからこの依頼に退路はなかったのだ

「…了解しました。」


「そうか…そう言ってくれると思ってな…
既に出張の準備は済ませてあるんだ」


いきなり何処からか取り出された
大きなトランクを嵐の前に突き出される


「…………まさか…今直ぐに…?」


顔が引きつっていた

「それじゃあ…よろぴく〜」

迎えに来た嵐の部下が嵐を引きずっていく
嵐はずっとジョットのほうを見続けていた


「………ふう………そろそろか…」



コンコン


静まりかえった執務室に一つの音がした

「入れ…」


「ジョット…お招き頂きありがとうございます…」

よほどの事がないかぎり(七夕は例外)
ボンゴレに顔を出さなかった霧が正装して入ってきた

「お前が…正装するなんて珍しいな…」

書類事を辞め肘をつき霧の目をみた


「折角のお客様に、
それなりの格好で持て成さなくては、
失礼にあたりますからね…クフフ……」


この時…


これから起こる事を知っていたのはゴク僅かであった





−NEXT-








いや〜 これから何かが起きそうな予感が
ビンビンですね(笑)


それにしても嵐も大変だね〜
復帰したと思ったらいきなり出張なんて(半ば強制的に)
それでもほんの時々
嵐が出てきたりするんですけどね(笑)