闇光









「ボンゴレは後に俺が描いた幻想とは逆の道をたどる事となる」



霧はわかりきっていた事を言うジョットに少し呆れ返る

そうでしょうね…ジョット
貴方は守る為にボンゴレを作った…

しかしボンゴレだってマフィア
そうなる事は貴方だってわかっていた筈だ
それでもなお貴方は守りたいものを守るには
マフィアが1番と判断し作ったのでしょ?


だったら何故…今更



「霧……俺も人の子だ……
決めていた覚悟が揺らぐ事はある」



その言葉は実に人間らしい物であった
しかしマフィアの頂点に君臨するボスにとって
それは多くもの部下の信頼を裏切る行為に等しかった



「それで…貴方は何をしたいんですか?」

「血を流さず…自然なままボンゴレを解散させたい」



血を流さず…確かにジョットはそう言った

マフィアの頂点に君臨していた
偉大なるボンゴレプリーモがここまで甘ちゃんだったとは…



「可能だから俺は言っているんだ」



一瞬時が止まる
聞こえるのはジョットが頬張るせんべいの音だけだった



「可能?そんな馬鹿な話が」



その言葉を信じられずにいる霧は
大胆にせんべいをむさぼり食らう
ジョットに目線がくぎづけになる



「俺は絶望と共に光も見てきた…」

光?

「霧…お前に頼みがある……」

空気が変わる

「俺が死んだ後…
お前の力で俺の魂をボンゴレのボスとして
再びこの世に甦らせてくれないか?」











これが彼の最後の願いだった

-NEXT-




そろそろ最終回かな?






2009.7.19