解任説


人気のない橋の上で
20代位の二人の男が
何やら話をしていた


一人は小柄だが
心は誰よりも強い信念を
抱いていて
身に漂うカリスマ性は
隠しても隠しきれない


もう一人の男は
背は高いが肌白く
よく見ると目の色が違う
そして
何処となく気品が漂っていた


奇麗なオッドアイで
見つめながら
男は話かけた
「プリーモ...話とは何ですか?」
小柄な男はどうやらプリーモと
呼ばれてるらしい



「ボスの座を降り...日本に行こうと思う」


突然の事に男は驚く
それでも
どこか気品が漂っていた


「何があったんです?」
男は空かさず質問をした
「夢を...みた」
「夢?」
意外な返答に
男は戸惑う


「ああ  俺が平凡な生活をしてる夢だ」
プリーモは幸せそうに夢の話をする











「今のプリーモとは 全くの正反対な設定ですね」

クスリと笑う男

「ああ 俺はとても幸せそうだった」

橋の下に流れる川に映った
自分の顔を見ながら
プリーモはいった



「それと日本に行くのと何の関係が?」
男は結論をせかした...




プリーモは突然
真面目な顔をする
「そこで今までのボンゴレを見てきた」
結果は聞かなくても
プリーモの顔を見れば
一目瞭然だった
「酷いものだった」
険しい顔をする
「...まさか! 超直感だとでも!?」
男は突然 大きな声でプリーモに問いかけた
「...」
プリーモは無言だった
「な!  超直感とやらは既に神の域をこえている!」
取り乱す男
それに加えプリーモは
冷静だった




「俺は創設者としての義務を
はたさなくてはならない」
プリーモは男の顔をみた
「ボンゴレを破壊する!」


これに至っては
男はそこまで驚く形跡はなかった
「成程...だから私なんですね」

「ああ」

「で...私に何をしてほしいんですか?」
男はプリーモの目を
改めて見る
「ボンゴレは大きくなった
そして これからも...」
「?」
「お前の力で今から約250年後
ボンゴレでは9代目が納めてる時代に
ボンゴレ10代目候補として
私の魂を再びこの世に誕生させてほしい」


男の頭のなかで幾つか疑問がうかんだ
「何故...250年後なんですか?
今の時代では駄目なんですか?」
プリーモは少し返答に迷った
「私の力は...」
「?」
「もうじき消える」
今までの話で一番の爆弾発言だった
「え?え?  冗談..ですよね?」
ついこの間まで使っていた
あの巨大な力が消える
と言われても実感がわかないらしい


「...  もし...そうだったとしても
日本へ行く理由にはならない!」
男は手を大きく横にふる
「第一  僕があなたの魂を転生させたとしても
いくらあなたの魂だからと言えど
ボンゴレを破壊しようと考えるとは限りませんよ?」


「だからだよ
その時代で一番安全な国は日本だからな」


その一言で男はプリーモの考えを理解した




  「わかしました 
  行きましょう!日本へ」
男はプリーモに背を向け
こうセリフを吐いて
去って行った




男のスーツには霧のマークが見えた












恐らく  
俺が見た夢は
来世の俺の世界
超直感が最後に告げる警告...






-END-
日本へは霧だけ付いていきます
プリーモは日本に行ったら
まずはじめに妻探しに入ります
ボンゴレの血筋をもった
日本育ちを作るのには
自分の子孫をつくるのが一番
てっとり速イですから


霧はお隣さんとして
プリーモが死ぬまで
見守り続けます




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2009.9.18